マネー・ボール

マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男

だいぶ前に読んだ本なのですが、直接、投資に関わる本でもないかなと考え、ブログでは紹介してませんでした。

ただ、先日読んだこちらの本の中でも紹介されており、少なからず投資に通ずる部分もあるかなと思い直し、紹介したいと思います。
#あと、純粋に面白い本なので、ぜひ読んで欲しいなというのもあります^^

大リーグの万年最低年俸球団であるオークランド・アスレチックスが、いかにして低予算の中で常勝軍団へと成長していったかを分析した本です。
ビリー・ビーンというジェネラル・マネージャーの力によるところが大きいらしいのですが、長年の野球の歴史の中でまかり通っている「常識」というものを大きく覆す内容であるといえます。

まず「元野球選手」で固めたフロント・オフィスが多い中、ビリー・ビーンは、ハーバード卒のアシスタントGMやスカウトを据えて、何よりもデータを重視する球団経営を実行しています。

低予算ゆえの球団事情もあるのでしょうが、ビリー・ビーンは、次のような価値観のもと、選手を調達しています。(視点が独特ですね!)
・「打率」よりも「出塁率」を重視する。例えば、3割の打率で、その他はほとんど凡打や三振をする選手よりも、打率は2割5分だが、四球を選ぶ力で4割の出塁率を持つ選手の方が重要。
・ホームランを数多く放つスター選手よりも、選球眼を備えた無名選手を重宝する。


『経験とかフィーリングを頼りにするのではなく、何よりも数字やデータを重視し、成功につながる要素を論理的に考える』ということの重要性は、投資の世界においても同じことが言えるのではないでしょうか。

日本のプロ野球において、巨人のように、大金をはたいてスター選手を揃えているチームが必ずしも強いわけではないというのも、この本を読むと理由が分かったような気になります(笑)。
とはいえ、全てのチームがアスレチックスのようなチームになってしまうと、それはそれで野球がつまらなくなってしまうんでしょうね^^;

また本書は、単純に読み物として非常に面白いです。決して栄光に恵まれているとは言えない、そんな選手たちの挫折と再生の物語が描かれており、小説としても一級品です!

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