セカンドマネーを創りなさい
こちらの本を読みました。
久しぶりに刺激を受ける本でした。
前半は「金持ち父さん 貧乏父さん」の内容を紹介し、“キャピタルゲインよりもインカムゲインを重視すべき”といった主張をしています。
資産価値が上がっていかないデフレの時代には、キャピタルゲインを獲得するのは難しく、インカムゲインを狙うべきというのはもっともな意見です。
また「金持ち父さん 貧乏父さん」にもありましたが、改めて、“住宅ローンは負債”と言い切ってます。
著者が副社長を務めるUBI社では、社員が資産としての不動産を持てるよう、購入資金の融資制度を設けているとのことでした。これは良い制度ですね!
中盤からは、UBI社の木村会長や著者自身のさまざまな経験談が書かれており、楽しく読めて、かつ、ためになる内容でした。
2010年に破綻した日本振興銀行のグループ傘下に入った話など、裏話も入っていて、面白かったです。
後半は、UBI社の子会社である maneo社が展開しているソーシャルレンディングに関する内容でした。ソーシャルレンディングとは、“インターネット上で、お金を借りたい個人/法人と、お金を貸したい個人/法人を直接結びつけて貸し借りを成立させる”ビジネスです。
私自身、ソーシャルレンディングというビジネスを初めて知りましたが、非常に興味深かったです。
maneo社のホームページを見ると、銀行の融資条件に合致しないような案件/業種/企業が、インターネットを活用した資金調達を実現しています。
「銀行が融資しないような中小企業に対して、資金調達する仕組みを提供し、お金の巡りを良くして経済活性化に貢献したい」というのが著者の想いであり、この想いには、とても共感できました。
その一方で、投資家視点でソーシャルレンディングを見ると、どういった位置づけになるだろうかも気になったので、複数の金融商品と比較して整理してみました。
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銀行
・利子が超低い(平均0.02%)
・元本は必ず返ってくる
・すぐに引き出せる
・投資金がどこに使われているか分からない
株式
・配当がやや低い(平均2%)
・元本保証はない、ゼロになる前に売却可能
・流動性が高い、好きなときに換金可能
・投資先を選べる
J-REIT
・配当がやや高い(平均4.5%)
・元本保証はない、ゼロになる前に売却可能
・流動性が高い、好きなときに換金可能
・不動産限定で投資先を選べる
ソーシャルレンディング
・分配金が高い(平均6.5%)
・元本保証はない、ゼロになるリスクあり
・換金不可
・投資先を選べる
※利率は、いずれも本日時点の数値
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たしかに、銀行とソーシャルレンディングを比べれば、リスクを踏まえた上でソーシャルレンディングを選択するという考えもアリかなとは思います。
しかし、株式やJ-REITと比べると、“ソーシャルレンディングはまだリスクが高すぎる”というのが私の感想です。貸し倒れリスクに対して、もう少し手厚いサポートが欲しいところです。
本書では、銀行とソーシャルレンディングの比較から、ソーシャルレンディングの優位性を説明していますが、本来は、もう少し違う金融商品も含めて考えるべきでしょうね。