投資バカの思考法
こんな本を読んでみました。
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ひふみ投信という投資信託を運用している「レオス・キャピタルワークス」のCIOである藤野英人さんの著書です。
藤野さんの本は初めて読んだのですが、この本、良い本でした!
藤野さんの経験、知見、ノウハウが、やさしい言葉でまとめられています。
もちろん、ところどころで投資信託の紹介も入ってはいるのですが、最小限に止められていると思います。
まず、最初にアベノミクスに言及して、「アベノミクスは、市場に出回る円の価値を下げ、結果として借金の価値を下げる政策である。なので、現金をたくさん持っている(抱えている)人が損をする。」と述べています。
この点は、私も同意見で、現金のまま持っておくより各種金融資産に振り分けたほうが得な時期だと思います。
ファンドマネージャーの仕事とは、「会社の成長性を見極めること」。これは、「未来に立って、今を見る」感覚だそうです。
そのために、以下の7つのスキルが重要だと述べています。
①洞察力
②決断力
③リスクマネジメント
④損切り
⑤時間
⑥増やす力
⑦選択力
以下、それぞれの力について、私の印象に残った点をまとめておきます。
①洞察力
マーケットと会社を、“主観から離れて”見極めるために、いろいろなことに関心を持つことが重要。
そのために、「新聞」「SNS」「街歩き」から情報を得る。
②決断力
決断とは、1つを選び、他を捨てること。決断する際の基準となる軸には、「損得」「善悪」「美醜」「好き嫌い」の4軸がある。どれを優先するかは人によって異なる。
③リスクマネジメント
リスクとリターンはセットになっている。リターンを得たいなら、リスクを受け入れる必要がある。
④損切り
損切りでもっとも大切なのは、取得価格を忘れること。大事なのは、「今の価格をどう評価するか」であって、「いくらで買ったか」は関係ない。
⑤時間
効率は大事だが、重要視しすぎない。非効率の中にこそ、大きな結果が隠れている。
一方で、非効率な活動に時間を割くために、効率化できる活動は改善を続けるべき。忙しさの原因は、時間がないからではなくて、「ボロボロの刃で仕事をしているから」かもしれない。
⑥増やす力
私たちが消費したお金は、誰かの給料になり、私たちの給料は、誰かの消費のおかげ。つまり、経済は「互恵関係」である。
⑦選択力
イメージできないことはマネージできない。人生は、“思う通りにしか”ならない。