マイナス金利にも負けない究極の分散投資術
モーニングスター(投資信託の格付け会社)の社長である朝倉さんの著書です。
分散投資、アセットアロケーションは、私が特に興味を持っている分野でもあり、興味深い内容でした。
いろいろな数字をもとに、著者の見解が肉付けされており、説得力があります。
・過去のデータから、米国が利上げすると、日経平均株価が下がる。
・異次元の量的緩和の結果、GDPに対する、日銀の資産規模が73%まで膨らんでおり(2015年9月時点)、この資産をどう売却していくのかの出口戦略が不明。
・2015年度予算時点の日本の歳出総額は、96.3兆円。うち、国債費や地方交付税を除いた、一般歳出が57.4兆円。その中で社会保障費に31.5兆円かかっている(一般歳出の約55%)。国の借金(国債発行)を増やしながら、社会保障費を補っている状況であり、今後の社会保障(年金、健康保険)は削らざるを得ない状況。
・NISAや確定拠出年金の導入は、「老後資金を自分で用意するように」という国からのメッセージ。
・グローバル化が進むことで、国内株式と、他の資産との相関関係が変化してきている。先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券の全てが、国内株式と「相関が高い」状態となっている。
・2020年までの成長率は、先進国では英国と米国、新興国ではインドと中国が上位。(ただ英国については、EU離脱が決まる前の記載であるため、今後は不明です)
・過去のデータから、ゴールドとドル/円レートが連動している。(円高だと金価格が上昇)
特に面白かったのは、「これからの時代に合ったポートフォリオ(資産構成割合)」の提案です。
上記の見解から、以下の配分でのポートフォリオを提案しています。
・成長資産(株式):70%
・インカム資産(債権):20%
・インフレヘッジ資産(ゴールド):10%
加えて、株式、債券ともに、国内よりも海外の資産割合を増やすべきといった主張でした。
先日、自身の資産状況をチェックした後、「円高への対応をどうしようか」と検討していたところだったので、この著書は非常に参考になりました。