ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ

ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ――若き日のバフェットに学ぶ最強の投資哲学

この書籍では、バフェットが1億ドルを築くまでの過程を追っている。
バフェットは、たった37年の間に、最初の1億ドルの資産を築いている。
彼がまだ11歳だった頃に行った最初の株式投資から始まり、約20の投資案件を解説している。
他のバフェット本と異なるのは、「なぜ、その企業に投資したか」の理由に重きを置いている点である。
これまでバフェット本を何冊も読んできた私でも、初めて知る内容があり、非常に参考になる&楽しめる本だった。

本書で触れている投資案件は、次の通りである。
●シティ・サービス
●ガイコ(保険)
●クリープランド・ワーステッド・ミルズ(織物・繊維)
●ロックウッド・アンド・カンパニー(菓子)
●サンボーン・マップス(地図)
●デンプスター・ミル(風車・かんがいシステム)
●アメリカン・エキスプレス(金融)
●ディズニー(エンターテインメント)
●バークシャー・ハサウェイ(織物・繊維)
●ナショナル・インデムニティ・インシュアランス(保険)
●ホクスチャイルド・コーン(小売)
●アソシエイテッド・コットン・ショップス(小売)
●イリノイ・ナショナル・バンク・アンド・トラスト(金融)
●オマハ・サン・ニュースペーパーズ(メディア)
●ブルー・チップ・スタンプス(スタンプビジネス)
●シーズ・キャンディーズ(菓子)
●ワシントン・ポスト(メディア)
●ウェスコ・ファイナンシャル(金融)

本書を読んでいて感じたのは、バフェットは投資家というより、経営者なのではないかという点。
もちろん、資産を増やすフェーズでは、ファンドを設立して株式投資も有効活用している。

が、株式投資だけで世界的な大富豪になったわけではなく、「企業買収+キャッシュフロー改善」という経営者の活動で大富豪になったのだなという印象を受けた。

買収する会社も、100%ベストな会社というわけでもなさそうだ。購入時点では、何らかの欠陥を抱えている企業を買って(だからこそ安値で買えるわけだが)、その後にその会社内で業務改革を行う。
これによって獲得した利益を使って、次の買収先を選別するといったサイクルで資産を増大させてきた。

また、もう1つのポイントとしては、「保険」「金融」「スタンプビジネス」といった、多額の現金のストック(フロート)が必要となるビジネスを多く買収した点だ。
このフロートは、保険金など実際に現金の形で必要になるまでは、証券などの金融資産に変えておくことができる。もちろん、この投資でプラスのリターンを生まないと、実際に現金が必要となったときにビジネスが立ち行かなくなるわけだが、このリターンを確実にプラスにできるところがバフェットの強みなのだと思う。

結果、フロートという「金利の発生しない借金」を有効に活用し続けることで、これだけの膨大な資産構築を実現したといえるだろう。

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