会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方

赤い背表紙が目立つ、こんな本を読んでみました。

会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方

著者は、「会社四季報」を最初から最後まで読破する行為を20年以上続けてきた強者である。
著者が証券会社に勤めていた頃に、先輩からそういった指導を受けたのがきっかけとのこと。
2000ページ近い四季報を、通常時、およそ2日半で読み切るというから驚きだ。

私自身は「会社四季報CD-ROM」を活用しているが、こういったデジタルデータになると、スクリーニングして絞り込んだ銘柄しか目にすることがない。
テンバガー(いわゆる10倍株)を探す上では、全体を俯瞰できる紙ベースの四季報が適しているというのが、著者の主張だ。

四季報を読む際、著者が注意して見ているのは、以下の3点である。
・世の中や会社が大きく転換するようなコメント
・突然伸び出す売上高などの業績
・チャートの転換
本書では具体的な銘柄を対象に、著者の「目の付けどころ」を解説してくれているので、とても分かり易い。

その上で、10倍株を探すときにヒントとなるのは、次の4つのポイントである。
・成長性が高い=増収率が高い
 ※3期前から今期の増収率平均もしくは来期増収率20%以上
・売上高営業利益率 10%以上
・オーナー企業であること
・上場5年以内
これらは四季報内の情報から確認できる。

四季報の中で特に読み込むのは、「会社紹介」「コメント欄」「財務・キャッシュフロー」「業績」「チャート」の部分とのことだ。

本書の中にあった言葉で、興味深いなと思ったのは、「PERが低い株は割安というのは間違い」という著者の考え方。
PERには「指標」という視点だけでなく、「期待値」という視点もあって、「PERが高いということは市場の期待が高い」とも捉えられるというものだ。

最後の章では、「読破の時間がない人のための10倍株を探せる読み方」にも触れていて、実際に全ページはとても読めない…と感じた読者(私も含めて)にも嬉しい内容が載っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です