いま君に伝えたいお金の話
あの「村上ファンド」で有名となった、村上世彰さんの本です。
子供向けに書いたお金の勉強の本ということで、語りかけるような、分かり易い文章で書かれています。
「村上ファンド」で騒がれてた頃の印象からすると、もっと冷徹なイメージだったのですが、本書を読んで、自分の夢に向かって突き進む純粋な方なんだなという印象を持ちました。
子供向けとは言え、正直な、現実的な内容が多いです。
・自立して生きていくためには、お金は絶対に必要
・やりたいことをやるには、余分なお金があったほうがいい
・お金を持っていれば、人を助けることができる
といった具合です。
仕事についても触れています。
・仕事は人生の多くの時間を占める、だからできれば、「自分の好きな仕事、自分に向いている仕事で生活の糧を得る」のが良い。
・ただ現実では、どんなに好きなことがあっても、それが仕事にならない(あるいは仕事にしたくない)場合もある。そんなときは、「好きなことのために仕事をする」という選択肢もある。
・ある仕事に一生懸命取り組んでいると、いつの間にか、自分の中に使命感のようなものが生まれてくることがある。人生を賭けてチャレンジしたいこと、他の誰かではなくて自分がやらなくてはいけないと思うもの。そういった「ミッション」に出会えることは、とても幸せなこと。
稼いだお金を貯めて増やすといった章もあります。
お金は稼いで貯めて、回して増やす。増えたらまた回す。そのサイクルが大事とのことです。
・「お金こそがお金を生む卵」なので、何はともあれ、まず「もとになるお金を貯める」ことが重要
・お金を増やすには、「投資する」ことが不可欠
・「投資する」上で、もっとも大切なのは、期待値(儲かる確率)を考えること
・世界から見たある国の位置づけ、その国における事業の状況、そこにおける企業の状況など、一つでも多くの数字をインプットとすることで、期待値の精度を上げられる
そして、本書の最後にあった次の文章が印象的でした。
「まずは自分の生活を整え楽しみながら、不測の事態に備えてある程度の貯金をする。何よりもそれが一番大切です。でも、少しゆとりができたら、ぜひ人のため、世のために使ってみてください。」