“普通の人”だから勝てる エナフン流株式投資術
ブログでも著名なエナフンさんこと、奥山月仁さんの本を読みました。
私自身はブログは見たことがないのですが、雑誌の連載は何度も読んだことがあります。
この本はエナフンさん自身が実践してきた株式投資術を紹介した本です。
エナフンさんの投資法は、ピーター・リンチの投資法を日本株に応用した手法となっており、以下の5つのパートに分けて解説しています。
「強みを知る」
「流れを知る」
「原理を知る」
「弱みを知る」
「ウラを取る」
「強みを知る」
自分ならではの強みを理解する。
ビジネスパーソンなら、職場での知見をそのまま株式投資に活用できる。
趣味もそのまま強みとして生かせる。
「流れを知る」
複雑な株価の流れを理解する。
長期的に株価を変動させる、次の3つの大きな流れがある。
企業の成長、相場との連動、評価水準の変化。
企業の成長に伴う株価の上昇を狙うなら、成長株投資(グロース投資)。
相場との連動による値上がりを狙うなら、循環株投資(シクリカル投資)。
市場による株価の評価水準の是正に着目するなら、割安株投資(バリュー投資)。
私自身はバリュー優待株への投資を主としているため、基本、割安株への投資スタイルを取っています。
その上でさらに、じきに優待内容が着目されることで、市場による評価水準の是正が発生することを期待して待つスタイルと言えます。
「原理を知る」
株価が決定する原理原則を理解する。
株価は通常、近未来の業績、リスク、金利水準の3つの要因で変動する。
ただし、極端に企業の収益が悪化した場合には、3つの要因ではなく、純資産価値から株価が決定される。
「弱みを知る」
個人投資家や人間ならではの弱みを理解する。
弱みには2種類あって、自分の努力で克服可能な弱みと、克服しようのない弱みがある。
弱みに対しては、克服するか回避するかの対応が必要である。
例.
克服しようのない弱み・・・ビジネスパーソンとして仕事を持っているため、仕事中に株価を見られない
克服可能な弱み・・・財務会計の知識が足りない
「ウラを取る」
決算書や会社資料で必ずウラを取る。
企業の概観を俯瞰するための5つのポイントがある。
企業の成長性、企業の健全性、企業の商品/サービス、企業の外部要因(業界/業態、景気、為替、政治動向、国際情勢)、企業の経営者 の5つである。
投資初心者でも自分自身で銘柄選びができるように、といった想いで、著者の投資スタイルを丁寧に解説してくれている良書である。
ただ、本当に初心者の段階だと、理解しきれない箇所もいくつかある気がする。
投資中級者に適した書籍ではないかと思う。