元本保証
こちらの記事では、主に利回りに着目していたが、今回は元本に着目したいと思う。
株や不動産といった金融商品と、郵便局・銀行の預金の大きな違いは、元本が保証されるかどうかである。
不動産の利回りが高いからといって、将来、本当に得になるのかどうか、ちょっと考えてみたいと思う。
例えば、400万円の物件を、月4万円の家賃で貸し出すとしよう。これで、利回りは12%を確保できていることになる。
毎月、4万円の家賃収入が入ってきて、年間48万円の収入、こう考えていくと約8年と3ヶ月ほどで元本400万円分の家賃収入が得られることになる。このときの元の物件の売値が、8年余りかけて得た純粋な利益と考えることができる。(ただし、家賃の変動は考慮していないので参考程度)
一般的に、不動産は土地と建物から構成されており、地価はバブルがはじけて以来、下降し続けてきた。近年ようやく下げ止まったところで、今後これ以上地価が下がる可能性は低いが、上がるかどうかはハッキリとは分からない。
一方、建物のほうは、時間経過とともに必ず価値が下がる。
こう考えると、元の買値(400万円)以上の売値が付くとは考えづらい。それでも、数百万の利益は出るだろうし、売らずにさらに賃貸していけば、その後の家賃収入はそのまま純利益となる。
では株の場合はどうだろう。
同じく、400万円の株を購入したとし、年に2回、2%の配当が付くなら、年間16万円の配当収入が入る。元の買値分(400万円)を取り戻せるのは、25年後。このときの株価が25年かけて得た純利益と言える。(ただし途中の株価変動を考慮していないので、参考程度。株価自体が上昇すれば、配当も増えるはず。)
会社の成長具合によって、株価が上がっている場合もあれば、下がっている場合もあるだろう。
こう考えて、株と不動産、どちらが得かは個人の判断に依ると思う。
ただ、どちらも金融商品であって、元本と利益を意識した投資をする必要がある。
ちなみに上記は、物件や会社が途中でなくならない前提での計算である。
火災や地震によって物件が倒壊したり、会社が経営に行き詰まって倒産したりすれば、大きな損失となる。